出張日記:若手パンツ職人は、世界中に3000人の顧客を持つ4代目

出張日記:若手パンツ職人は、世界中に3000人の顧客を持つ4代目

オーダーメイドの世界はまだまだ続きます。次にご紹介するのは、メンズのパンツを作らせたら世界逸品のこちらの職人 Salvatore Ambrosi。世代を継承している彼は、現在4代目の38歳で職人の世界では若手ですが、Eur1000超えのプライスでも世界中に顧客を持っています。

日本人の体型の特徴とは

世界中でフィッティングをする彼に、日本のお客様の体型の特徴を聞いてみました。特徴はズバリ、「ふくらはぎや太ももが太い人が多く、おなかが出ている人は少ない。おしりはぺったんこだね!」とのこと。イタリア人含めて、欧州の人はとにかくお腹がぱーんと出ていて、脚が長い。おしりも張っているいる人が多いそうです。まぁ・・私たち日本人は着物文化ですからね。体型は仕方ありません。かつ、日本のお客様は生地や形、細身にしたい、ゆったり着たい等の好みがはっきりしていてオススメもしやすいとのこと。日本のお客様は・・なぜか奥様とはオーダー会には来られないそう。愛人?の女性と来ることが多いようでびっくりの小話が聞けました。他国のお客様は、みんな奥様同伴でビシビシとアドバイスを出すそうです笑

 

採寸やフィッティング、生地の好みとか

生地の70%は英国製、30%はイタリア製の生地がお好みとのこと。英国製の生地の代表はHOLLAND & SHERRY (ホーランド&シェリー)、Brisbone moss (ブリスベンモス)、Dugdale Bros & co (ダークデイル)。イタリア製では、Vitale Barberis Canonco (ヴィターレ バルべリス キャノニコ)、Caccioppoli (カチョッポリ)、Loropiana(ロロピアーナ)。全て・・一流品の生地でなかなか市場ではお目にかかりません。コットン素材はとても縫いやすく、シルエットが綺麗に出るのでお気に入りだそう。翻ってむずかしいのは、しとっとした素材感の生地。シルクが入っている生地は滑ってしまって縫いにくいそうです。生地もデリケートなので、縫製中に傷もつきやすいので最新の注意が必要。

世界中を職人として回る人生

彼のお父さんは、ナポリから出ずにお仕事を続けていましたが、彼は世界のお客様を顧客に持っているのでひと月の内、半分はナポリ、半分は旅をしている最近。ソウル、東京、名古屋、大阪、マニラ、北京、上海、台北、ロンドン、パリ、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、サンフランシスコ等。今までは夏休みは8月の一か月をお休みにしていましたが、仕事で忙しくどんどん短くなり・・一週間しかお休みがとれないそう。奥さま、小さいお子さんにはそんなにお仕事しないで!と言われているとのことで。家庭と仕事のバランスは、さすがのイタリア人も頭を悩ませているようでした。

 

ナポリはなぜ職人が今もなお残っているのか

彼曰く、文化であるから。という、一言を頂きました。今、イタリアは経済はずーっと低迷しているけれど、世界中からのお客様に支えられて仕事が続けられているのは、職人技術を大切にしてくれる、理解してくれるお客様がいるから。そして、ナポリにいる沢山の他の職人達からも刺激を受け続けられる環境にあるからとのこと。職人がたくさんいるとはいえ、レベルは様々。歴史あるサルトは継ぐ人によって継承が絶たれてしまうことも。続いてきた技術を守るのと同時に、サルバトーレ氏のように世界への発信を続けているサルトはこれからも残り続けるのだなと感じました。

RAKE MAGAZINEを始め、様々な媒体にも登場しています。お客様はすべて紹介や、お客様からのコンタクトを頂いて・・という流れが多いそうで、営業活動をする暇がないくらい忙しく充実しているとのこと。どんな体型の人でも「絶対に美しくみせる自信がある!」と、サルバトーレ氏は断言。超一流のフィッティング、ゼヒ一度体験してみて欲しいです。

オーダーパンツ職人
Salvatore Ambrosi 38歳
Web ; http://ambrosi-napoli.tumblr.com/

こんなフォトジェニックな街並みが続くナポリの一角にあります。

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