Effortless Life
REVIEW

オープンスペース展 ① 無機質な風景の先に 

5/27から開催されている、アート展「オープンスペース」展に行ってきました。これからの未来、アートはどういう流れになっていくのか、新しい技術や多様な表現方法って一体どういうものがあるのだろう・・?と思い興味津々。

手で触れられたり、写真撮影もOKな展示がたくさんありますが、私が気になったのは以下!

エネルギーの風景 ユェン・グアンミン作

映像作品なので、真っ暗なシアターに足を踏み入れると、大きなスクリーンが。映し出されるのは、ゆっくりとした風景映像が鳥の視点から映し出されていきます。どきっとするくらい怖い雰囲気の廃墟、朽ちたメリーゴーランド、誰も住んでいない集合住宅、多くの人が集まる海水浴場の先にある原子力発電所や風力発電機。東京湾沖からの風景もあり、それは全て作家がドローンや自作のケーブルカムで撮影したものだそう。

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作者のユェンは台湾出身のアーティスト。この作品は、東日本大震災(2011年)をきっかけに、台湾で作成され、台北の自宅から半径20キロ圏内にも原発があることを意識するようになったとのこと。私がこの映像作品にぐっと引き込まれたのは、人が全く出てこない風景が延々と続き、かつて人がいたであろう風景がまるで砂漠のような質感に変わっているところです。緑や建物や水辺がるのに、まったく「生」が感じられない、無機質な入り込めない環境や風景。海水浴場のすぐ先にある、まるいカタチをした原子力発電所は、まるで遊園地のアトラクションに見えるくらいの異質な存在に映りました。

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エネルギー無しに人は生きていけないけれども、エネルギーの暴発は人を簡単に死滅させてしまう。人の息遣いが手触りがまったく感じられない、「生」の無い映像は、何か・・ちょっと近未来的なような。すぐ隣にあるリアル?のような既視感も。それだけ身近であり、一寸先は闇であるという怖さを感じました。

絵や映像作品、映画や音楽の素晴らしさって、もちろん新しい表現に出会う面白さもあるんですが・・今までの自分の中に蓄積されてきた「経験値」が、何かぐっと反比例だったり、比例だったりする反応に出会えることです。うわー、かき乱されてる、新しい感覚を味わっている~という体感が出来るのが堪らなく気持ち良い。

来年3月までやっているので、また再訪しようと思っています。 もうひとつの作品については次のエントリーで書きます。

開催情報:
オープンスペース 2017 未来の再創造
2017/5/27 ~ 2018/3/11 まで
入場無料

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